天月 –あまつき– *撮り下ろし4ページ |
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──前作に続き、盛りだくさんな内容になってますね。
「そうですね。僕自身、“お前は毎回、統一感のないCDを作るな”って思ってます」
──あははははは。
「僕が歌ってるっていう統一感はあると思うんですけど、本当に全部、違うタイプの曲じゃないですか。シングルなのにアルバムくらい詰め込んだので、面白いことができたなと思うし、今は完成して良かったと、ホッとしてますね」
──では全然違う曲を1曲ずつおうかがいしてもいいですか。まず、1曲目『Mr.Fake』は激しいロックチューンで、実写版ドラマ・映画『トモダチゲーム』の主題歌になってます。
「僕が過去にやってきた曲は、割合的にはすごく明るい楽曲が多いので、昔から聴いてくれてる人達は、今回、確実に新しいことをやっているのでびっくりすると思いますね。『トモダチゲーム』の大元になるのは、もちろん友情なんですけど、綺麗事だけでは済まない、嘘や欲望だったり、人間の汚い部分が見え隠れする、心理的な部分が前に出た作品になっています。僕自身も、今、この活動をしていて、人から見たらキラキラしていたり、明るい面ばかり見えると思うんですけど、僕が他のアーティストさんと違うところは、ネット出身で、一番最初は自分が表に出るのが苦手だったからこそ、ネットを使って活動を始めたっていうところがあるんですね。それに、学生時代に受けた傷もあったので、自分なりに感じたものを皮肉っぽく吐き出せたらいいなと思ってましたね」
──学生時代はどんなことを感じてました?
「実際に僕はいじめを受けていた時があって。それが不思議なもので、昨日まで一緒に話をして、時には遊んでいた友達が、ある日、当たり前のように僕をいじめてくるメンバーに参加していたりして。クラス内で、当たり前のように全員でいじめるっていうのがあるんですよね。ツラい気持ちもあったし、悔しい気持ちも苦しい気持ちもあったけど、同時に“あの子は何がしたいんだろうな?”っていう不思議な気持ちもあって。それを今、振り返ってみると、例えば、彼らもいじめの標的にされたくなかったんだなとか、大人になって気づくこともあって」
──25歳(※取材時)になった今の視点から書いてるんですね。
「そうですね。作品に合わせたところもあるんですけど、僕は音楽を始めたことで変わった人間だし、今はもう別人のようだなって思うんですね。でもそれは、今の自分を意識的に作り上げたわけではなくて、気づいたら変わっていたっていう感じなんです。仮面をかぶって、自分自身を偽っていたり、取り繕っている人もいれば、自分では気づかないうちに誰かを傷つけている人もいて。世の中、理不尽だなって思いながら生きていた中で、僕もこういう活動を始めるまでは、何となく生きてきて。夢も希望もないまま、社会に本当に何となく混ざっていたけど、音楽活動を始めて、楽しさや幸せを感じられるようになり、大事な友人もできた。本当に振り返って気づくことが多かったので、そこがかなり出たかなと思いますし、今とはだいぶ違う、過去というところで書いてますね」