http://kashitaro.com
http://www.creekltd.com/inoue.html
10月4日にニュー・アルバム『二天一流』をリリースする伊東歌詞太郎、音楽番組『日本名曲アルバム』(BS-TBS)の編曲、ドラマ『表参道高校合唱部!』(TBS2015年7月期金曜ドラマ)の合唱編曲などを担当した音楽家・井上一平の対談が実現! 最近、伊東が興味を持っているという“合唱曲”をテーマにしながら、音楽の本質的な魅力について語り合っていただきました。
Photo:笹原良太 Text:森 朋之


伊東歌詞太郎(以下、伊東)「以前から“合唱曲を作ってみたい”と思っていたんですよ。母親が音楽の教師をやっていて、合唱部や吹奏楽部の顧問をやっていたんですけど、僕も学校に遊びに行って一緒に歌っているうちに“合唱っていいな”と思うようになって。色んな人の声が合わさって、ひとつになるのがすごく面白いと思ったんですよね。しかも合唱曲は日本中の色んな方に歌ってもらえるし、そこもいいなって」



井上一平(以下、井上)「確かにそうですよね」

──井上さんは音楽番組『日本名曲アルバム』、ドラマ『表参道高校合唱部!』などで、合唱曲の編曲を数多く手掛けていらっしゃいますね。

井上「『日本名曲アルバム』の編曲は5年以上担当させてもらっていて、年間で100曲以上の合唱曲を編曲していますね。もともとはクラシックの作曲家なので、合唱曲の編曲を手掛けるなんて思ってもみなかったのですが、今は“人の声でこんなに色々なことができるんだな”と感じています。さっき伊東さんがおっしゃった“たくさんの人の声がひとつに聴こえる”ということもあるし、自分が関わった合唱曲を色々な方に歌っていただくことで、音楽をより身近に感じられるということもあって。自分が書いた楽譜を歌ってもらえることは本当に嬉しいし、感動しますね」

伊東「うらやましい! まさにそれをやりたいんですよ」

──井上さんは合唱曲の編曲を手掛けるようになった時、どんな準備をされたんですか?

井上「合唱曲はソプラノ、アルト、テナー、バスの四声で構成されていますが、実はそれは音楽の基礎中の基礎なんです。なので、学生の頃に使っていた教科書やノートを読み直したりしましたね。あとは『手紙 〜拝啓 十五の君へ〜』などの有名な合唱曲を改めて聴いたり。合唱曲に関わらせてもらうことで、新しい発見もありましたね。合唱曲を編曲する時はまず歌詞を読んでから構成するんですけど、その時に“こういうことを歌っていたんだな”と改めて気付くこともあったので」

──合唱ならではの魅力がたくさんあるわけですね。

伊東「素晴らしいですね! 僕はもともと独唱をする人間なんですけど、中学校の頃に少しだけ聖歌隊に入ったことがあったんです。僕のパートはテノールだったんですが…」

井上「高音のパートですね」

伊東「はい。主旋律はソプラノがとることが多いから、その時に初めて“主旋律を歌わない”という経験をしたんです。その時の経験も“合唱曲を作ってみたい”という気持ちに繋がっているのかも」

井上「なるほど。『日本名曲アルバム』では“これは合唱曲になりづらそうだな”という曲を取り上げることもあって。ロックや演歌など色々な楽曲をアレンジしているのですが、その中で新しい魅力に気付くこともあるんです。なので、伊東さんが合唱曲を作られることで、今までとは違うアプローチが生まれるかもしれないですね」

伊東「実はすでにそのことを感じていまして(笑)。最初から“声を合わせやすいメロディー”を意識することで、今までとは違うテイストの曲になっていくんです。8分音符を意識して曲を作ることは、伊東歌詞太郎としては今までやったことがなかったので。とにかく歌いやすくて良いメロディーに歌詞を乗せたいんですよ。そうすれば歌ってくれる人にも歌詞が入っていくだろうし、聴いている人にも伝わるんじゃないかなと。合唱曲を作る上で“ここは外しちゃいけない”という要素はあるんですか?」


※続きは月刊Songs2017年10月号をご覧ください。

ページを閉じる

Topページを開く