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前作『Imperfection』から3年振りとなるMay J.の8thアルバム『Futuristic』が完成した。すでにリリースされているシングル曲、自身で作詞作曲した初のL.A.レコーディングによる楽曲、アンジェラ・アキが手掛けた八代亜紀とのデュエット曲『母と娘の10,000日~未来の扉~』など、振り幅の広いナンバーが収録された待望のオリジナル・アルバムだ。シンガーとしての新境地、ソングライターとしての挑戦など、ここには“表現者・May J.”の新たな一歩が確かに刻まれている。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:山田邦子

──アルバム『Futuristic』、素晴らしかったです!



「嬉しい! ありがとうございます。もちろんアルバムを作るたびにその時のベストを尽くしているんですが、今回はでき上がったあとの気持ちがいつもとは違ったんですよ。これまでは作り終えると満足しちゃって、聴き返すとちょっと恥ずかしかったりしたんだけど(笑)、この作品は毎回聴くのが新鮮なんです。自分で作詞作曲をしたりしてずっとやりたかったことを吐き出せたというのもありますし、アプローチの仕方が違っているからかもしれない。知らないうちにクセになっていた部分を崩そうという気持ちで臨んだのも大きかったと思います」

──崩す?

「例えばボーカルの面でも、いつもだと私はすごくキレイにきっちり歌うんですね。でもそこを崩すことで、こうしてしゃべっている自分みたいな感覚になって、結果的にとても聴きやすくなっていたんですよね」

──今回はそういうお気持ちで臨まれたんですね。ちなみに前作『Imperfection』から3年経つわけですが、あの作品を作っていた時の気持ちなどは覚えていらっしゃいますか?

「はい。『Imperfection』は不完全という意味なんですが、当時は、まず自分の不完全なところを受け入れなきゃいけないし、受け入れなければいい歌は歌えないと思っていました。この作品が完成した後に、次に進むためにはどうしたらいいのかと考えるようになって、次作は自分もゼロから制作に入れる環境にしたいと思っていましたね」

──ということは、その想いが叶ったわけですね。



「そうなんです。だから前作がなかったら、今回のようなアルバムはできなかったんじゃないかなと思います。今までは1年に1枚オリジナル・アルバムをリリースしていて、とにかくアウトプットが多かったんですね。この3年の間にもカバー・アルバムやクリスマス・アルバム、ディズニー・アルバム、シングルなど作品はたくさん出しましたが、自分にとってはインプットをしていた期間でもあって。オリジナル・アルバムとしては3年空いたからこそ、そして皆さんをお待たせしてしまったけれど、ベストなものができたなって思っています」

──同じ“制作”であっても、この3年間のカバー・アルバムなどはインプットだった、と。

「かなりのインプットでした。私、新しいことにチャレンジするのが好きなんですよ。自分が知らなかった自分を知ることができるし、挑戦することで必ず自分の力になると思っているから。だから少し前までは、そうやって歌が歌えるだけで幸せだと感じていたんですよ。3年前…、いや去年とかも言ってたかな。でもちょっと欲が出てきて(笑)、具体的に“インプットしたものをアウトプットしたい!”って思うようになったんです。自分の中で少しずつ“自分のスタイル”というものを確立していきたいって。今までは柔軟に何でも挑戦してきたから、これからもそうやっていくのかなと思っていたけど、いい意味でそうじゃなくなってきたっていうのが今の心境で」

──自分のスタイルを確立するために、今回は自分で作詞作曲をしたり、念願だったL.A.へレコーディングしに行かれたりしたんですね。


※続きは月刊Songs2017年11月号をご覧ください。

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