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HYの仲宗根 泉がインスタグラムで不定期にアップしていた1分間の曲たち。手作りの音に乗せて想いを綴ったそれらの曲に、自らの想いを重ねた人たちの共感の声が広がり続けている。その1分間の曲に改めてアレンジを加えて再録音した初のソロ・アルバムが『1分間のラブソング』だ。1人の女性として、母として、悩みも迷いも受けとめてくれる彼女の優しさと強さと大きさを感じるこの作品について、地元の沖縄で話を聞いた。
Text:伊藤博伸
──インスタグラムで1分間の曲をアップしようと思ったのは、どういうことからだったのですか?

「インスタを始めてから、直接自分に対して悩みとか悲しみを訴えてくれる人がすごく多くなっていて。そのコメントを見てるのに何もしない自分はイヤだなと思ったから、その人のために歌を書き始めたのがキッカケですね。それからは“今日はあなたに!”という感じで、コメントが目にとまった人に歌を書いていったら15曲ぐらいになっていたという。自分でもメチャいい歌ができたと思ったので、それをCDにして、自分が眠る時に聴きたいなと思ったんです(笑)」

──自分が眠る時に聴きたいと聞くと、プライベートな作品という感じもしますね。

「HYの時は、1曲書くのにものすごいエネルギーを使うんだけど、これに関しては全く仕事という感覚もなくて(笑)。仕事モードの仲宗根 泉じゃなく、プライベートの仲宗根 泉の中でやれることを、という感覚で始めたから何にも悩むことがなかった。コメントを読んだ時に、この人にかけてあげたい言葉と歌が、自然にふわーっと降りてきて。15曲が全部そういう感じでした。今までのHYの活動も含めた音楽活動の中で、全曲こんなふうに生まれてきたのは自分でも初めてだったから、とっても楽しかったですね」

──締め切りとかの制約もないし。

「そう。期限があったり、誰かに、書いてみたら、と言われてやるわけでもないし。唯一制約があるとしたら、1分間という時間。インスタの動画が1分しか上げられないので。それ以外は自分で自由に思い立った時に、思い立った人に歌を書いていたという感じ。どちらかというと、今度はいつ歌が降りてくるんだろう…って、自分がワクワクしてましたね」

──降りてくる時は、メロディーと歌詞が一緒に?

「全曲そうでした。全ての曲が1〜2分で書けたし、自分でも納得できる言葉を、その人にかけてあげることができたなと思ってます。それに1分間という限られた中だったからこそ、物語としてではなくて、必要な言葉だけを伝えることができたなと自分では感じてます」



※続きは月刊Songs2017年12月号をご覧ください。

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