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結成2年にしてネットでバズを起こし続けている福岡発の4人組ギターロックバンド、ポルカドットスティングレイが、メジャー・デビュー作となるキャリア初のフル・アルバムをリリースした。インディーズ盤ながらもオリコンウィークリーチャートで7位を記録したミニ・アルバム『大正義』に続く1stアルバムのタイトルは『全知全能』。“全知全能の気分さ/信じなさい”(『シンクロニシカ』)と歌う彼女達は一体何者なのか? セルフプロデュース能力が高く、新時代のポップアイコンやトレンドセッターになりそうな予感を湛えた雫(Vo.&Gt.)のクリエイティブに迫る。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:永堀アツオ

──大ボリュームのアルバムになりましたね。



「色々やるバンドなんですよっていうのを見せられるようなアルバムにしたいと思っていたので、14曲入りっていう暴挙に出てみました(笑)。もともと作る前から、振り幅を持たせなきゃいけないっていう話をしてたので、最初に14曲っていう曲数から決めたんですね」

──曲数から決めたんですか!?

「そうですね。うちらは今まで、勢いの割に音源が少ないって言われていたんです。メンバーのみんなと“何曲くらいから、うわ、これ、多いってなるかな?”って話していて、“14やな”っていうことになって。曲数をパンチで決めたあとに、入れるって確定している曲から並べていって。そのあと、『テレキャスター・ストライプ』や『エレクトリック・パブリック』はダンス、『人魚』はジャズっていうふうに、エクセルに楽曲とカテゴリーを並べていって、“J-POP枠が足りないから、あと1曲作ろう”みたいな感じの作り方でしたね(笑)」

──ジャンルから作るっていうのも珍しいですね。ちなみにJ-POP枠は?

「12曲目の『ショートショート』かな。全知全能ver.として再録した以外の曲は、全部新しい試みになってますね。まず、リード曲の『レム』は初めての爽やかポップで、『極楽灯』は初めてのバラード。『ジェット・ラグ』はただただ聴き流せるような曲を作ろうっていうことで初めてウィスパーボイスを使って、ヤバイTシャツ屋さんに叫んでもらった『顔も覚えてない』は初のネタ曲。最後の『ポルカドット・スティングレイ』は私が初めて作った曲で再録なんですけど、初めてのアコースティックになっていて」

──『BLUE』と『サレンダー』も新曲ですよね。



「その2曲はタイアップが来て初めて書き下ろした曲になってますね。『BLUE』はCMで流れた時に、おっ! ってなって、歌いやすいサビっていう展開を意識していて。みずほさん(みずほフィナンシャルグループ)が、若手のデビューしたてのバンドと一緒に組むことで、攻めてる! みたいなイメージを与えたいということがテーマだったので、楽曲も若干攻めてみようということで、ちょっと分かりやすすぎるチープなギターリフと、スラップゴリゴリのベースが基本で流れていて。一見、サビまで音圧がスカスカっていう、ちょっと面白い、尖った感じにチャレンジしてみて。『サレンダー』は、『人魚』でやったジャズテイストをさらにぐいぐいくるように、BPMを速くした感じで、ちょうどゲームのタイアップ(ソーシャルゲーム 23/7[トゥエンティー スリー セブン]イメージソング)にもぴったりになったなって思います。あと、『フレミング』は他の3人にはプレイヤーライクなことをしてもらって、私はラップっぽいところに挑戦して。リズム推しの曲だから、ボーカルもリズム楽器みたいな感じのアプローチをしている初めての曲です」

──アルバムの構成案をしっかりと考えた上で制作してるんですね。

「そうですね。売れると踏んだものしか作りたくないんです(笑)。何が売れるかっていうのをすごく考えてから作り始めるっていうのを毎回、意識してますね」


※続きは月刊Songs2017年12月号をご覧ください。

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