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ミュージシャン、タレントとマルチに活躍し、幅広い層に人気のDAIGO。近年はドラマ「ヒガンバナ〜警視庁捜査七課〜」や「営業部長 吉良奈津子」、「ブラックリベンジ」など役者としても精力的に活動を行なっている。映画『嘘を愛する女』では、行方不明になった男性を探すよう依頼される私立探偵の助手・木村(愛称・キム)を演じており、ロングヘアと眼鏡スタイルで新たな一面を見せた。そんな彼に今作の魅力や役について、さらに音楽について語ってもらった。
Photo:松井伴実 Text:奥村百恵

──今作のオファーが来た時の心境をお聞かせいただけますか?



「お話をいただいてから台本を読んだのですが、とても面白い映画になりそうだなと思いました。俳優としてオファーをいただけるのはとても嬉しいことなので、ぜひやらせていただきたいと。ただ、キムは僕のイメージとかけ離れた個性的なキャラクターだったので、正直驚きましたけど(笑)。10年前の僕はカッコつけたい気持ちがまだまだあったので、キムを演じられるほどのキャパシティーがなかったかもしれません。でも、最近はこの10年間で経験してきたことを活かしたいと強く思うようになったので、オファーを受けさせていただきました」

──キムに対してどんな印象を受けましたか?

「一言で言うと難しいんですけど…HKかな…」

──HKとは?(笑)

「偏屈です…」

──なるほど! ハッカーかと思いました(笑)。

「(笑)。アウトローで偏屈で、常識にとらわれない男というか。監督は“キムは一歩間違えば捕まってしまうようなギリギリのところを攻めている男”とおっしゃっていたので、そういったイメージで演じさせていただきました」

──キムの役作りに関して、監督とはどんなお話をされましたか?

「監督と最初にお会いした時に、キムに関するとても細かい設定資料をいただいたんです。その中に大学時代の監督のご友人の写真も入っていて、“何でかな?”と思ったら何とその方がキムのモデルでした。あまりにも僕に似てなかったので、“これはミスキャスティングじゃないですか?”と思わず言ってしまいそうになりました(笑)。だからどうやってキムに近づければいいのか迷いましたけど、監督からロングヘアのヅラをかぶってほしいと要望をいただいたので、イメージが把握できたというか。ファッションもダボッとしたものにするなど、フィッティングしながら衣装を決めていったのですが、服よりもヅラのフィッティングに気合いが入っていましたね(笑)。そんなふうにビジュアルを作り込んでいきました」



──普段着ないような衣装を着たり、カツラをつけることで、より役に入り込めたのではありませんか?

「そうですね。ロックミュージシャンの時の衣装やバラエティー番組に出ている時とは全く違うビジュアルになることで、役に没頭できたような気がします。役作りのため髭を剃らずに撮影に臨んだこともありましたし、キムの衣装を着てキムのヅラをかぶると自然と役に入り込めていました。考えすぎずに演じることができたというか。本来ならばロックミュージシャンとして基本はカッコつけていたいんですけど、キムになると潔く諦められるんです(笑)」

──探偵の海原役を演じた吉田鋼太郎さんや、女子大生の心葉を演じた川栄李奈さんと一緒のシーンが多かったですが、共演されてみて印象に残ったことがあれば教えてください。

「鋼太郎さんはカメラが回ってない時も常にカッコ良くて、優しくてとてもアツいものを持っている方でした。今回ご一緒できてすごく嬉しかったです。現場で“DAIGOくんってもっと明るくなかった?”と言われたのですが、キムはおとなしいタイプなので僕自身もあまりワイワイとお話しできなくて(笑)。川栄さんは現場で僕に気付かなくて、スタッフさんだと思っていたみたいです。挨拶するタイミングがなかったこともあって、現場で“何か距離感があるな〜”と思っていたらどおりで…(笑)。それほどDAIGOという存在感を消すことができたのではないかなと思えたので、スタッフさんだと勘違いされていたことが逆に自信になったというか。主演の長澤まさみさんも“違和感がない”と言ってくださったので、“キムとしてちゃんと存在できているんだな”と実感することができました」


※続きは月刊Songs2018年2月号をご覧ください。

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