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通算5枚目となる家入レオのオリジナル・アルバム『TIME』。ドラマ『愛してたって、秘密はある。』の主題歌でもあった『ずっと、ふたりで』や、ひと足先に配信リリースされていた『Relax』、大原櫻子&藤原さくらと一緒に歌ってきた『恋のはじまり』のソロ&リアレンジ・バージョンなど、全13曲が収められている。今回は新たに挑戦した演技経験による気持ちの変化や、楽曲が完成に至るまでの貴重なエピソードなどを語ってくれた。
Photo:小澤正朗 Text:山田邦子

──今回のアルバム、ビジュアルの面もかなりイメージが変わりましたね。新しいし、とても印象に残ります。



「今回は家入レオというものが真ん中にありつつ、メロディーとかアレンジとか歌詞とか、色んなものをまとっているっていうことがひと目で分かるといいねってことで、こういうボリュームのある衣装になりました」

──アルバムを聴くと、その感じがすごく分かります。



「あと、1周してやっと戻ってきたぞっていう気持ちも自分の中にあって。10代でデビューしてるので、色んなことを試すっていうのも大事なことだったと思うんです。だからこそ、この作品にも繋がっているわけだし。でも自分に一番似合うのはモノトーンであり、パツッと立ってるようなこの感じがやっぱり自分らしいなって。新しいフィールドにも挑みましたが、“ただいま!”って気持ちがとても強かったです」

──新しいけど、ある意味原点みたいな。

「そうですね。原点回帰しつつ、新しいところに行けたかなと感じてます。すごくいい作品になりました。このアルバム、作れて本当に良かった!」

──同感です! 今回はどういうところから完成形を目指したんですか?

「いつもだったら自分が持っている曲はほぼ入れつつ、残りの曲を制作していこうという気持ちなんですけど、今回はまず、みんなにどういう表情になってほしいか、どういう現象を起こしたいかというスケッチを1曲ずつ書きました。その上で、“このジャンルだったら、今持ってる中だとこれだよね”、“これは、今持ってるけどもっと違う感じにしたいから別のミュージシャンとやってみようか”、“これは私が担当します”って、決め込んで作っていったんです」



──そういうやり方にしたのは、どうしてだったんでしょう?

「ドラマに出演させていただいたのが、すごく大きくて」

──昨年秋(10月クール)に放送されていた、『新宿セブン』ですね。

「はい。初役者で殺し屋ってヤバくない!? みたいな反応をたくさんいただきましたけど(笑)、あの経験は本当に大きかったんです。10代で曲を作っている時は発信していくことしか頭になかったんですね。それは思春期であり、自意識がピークに達してる時だからだと思うんですけど、それが真っ直ぐさみたいなところに繋がって、みんなに支持してもらえたのかなと思うんです。でも演技をやってみて、受信者と発信者という両方の視点を持つことができたんです。同じ台本を読んでいても、自分はこういう気持ちで言っているけど、相手は全く違う意味で捉えていたりする。自分が発信していくことも大事だけど、一番は喜んでもらうこと、それはとても素晴らしいことだって思えたんです」

──そうしてでき上がったのが、この『TIME』。

「オリジナルとしては約1年7か月振り。1人のアーティストとしても、1人の女性としても、その間には色んなことが起こりました。そういうところもちゃんと音楽に反映できたと思います。伝えたいことがより明確になってきてるんだなって実感もありました」

──ボーカルの面にも、かなり変化が表れているなと感じました。ヘンな言い方になりますが、以前よりもすごく“歌”を“歌っている”というか。

「自分で作詞した『TOKYO』なんかは作ってる時点で絞り出しているから、本能的に、あまりスケッチをせずに歌ったんですね。でも完全に楽曲を提供してもらったものとなると、自分のDNAがどこにも見当たらないわけだから、歌うということでどれだけ爪痕を残せるかということをすごく考えました。実際、録り終わった曲を聴いてみると、自分の曲よりも自分らしいじゃんって思うことがあったんですよね」


※続きは月刊Songs2018年3月号をご覧ください。

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