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現在、NHK Eテレでオンエア中のアニメ『メジャーセカンド』のエンディングテーマにもなっている、高橋 優の新曲『プライド』。アニメの主人公・茂野大吾にシンパシーを感じ、迷いなく書けたというこの曲にはどんな思いが込められているのか。次なる高橋 優を打ち出すことができたというその表題曲を中心に、完成までの経緯や選曲の理由など、カップリングについてもじっくりと話を伺った。
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:山田邦子

──本誌5月号で、高橋 優さんの“全国LIVE TOUR 2017-2018「ROAD MOVIE」”のファイナル初日(3月29日)の模様をレポートしました。最終公演では新曲の披露もあったんですか?

「やってないです。やる意味もあったとは思うんですが、やらない意味もあるというか。“ROAD MOVIE”というツアーが僕の中でとても意味の深いものになっていったので、今は“ROAD MOVIE”の中で完結するものを観てもらいたいなと思っていたんです。そこをひとつパチンと終わらせることが大事かなというのがあったので」



──そうだったんですね。

「よく言うじゃないですか。ツアーはもう終わるけど、僕らのこの旅は永遠に続きますみたいな。そういうの、今回は違うなと思ったんです。“ROAD MOVIE”は“ROAD MOVIE”、ここでおしまい! にしたかった。その上で、次の新曲を聴いてほしいと思ったんです」

──それが今回の新曲『プライド』。この曲は現在放送中のNHK Eテレ アニメ『メジャーセカンド』のエンディングテーマになっています。アニメの主人公・茂野大吾くんは他の人と比べられて悔しい思いをしたり、不甲斐ない自分にいらだったりするわけですが、大人になると、いい意味で自分なりのやり方みたいなものが身についてくるので、この作品に触れて、そういう感情がエネルギーになっていた頃の気持ちを思い出しました。

「大人でも子どもでも、マイペースな人はいると思うんですよ。本当にピュアにそういう(比べられたりする)ことに興味がないというか。それはそれで素敵だと思うんです。でも僕は、大吾くんにシンパシーを感じる部分がすごく多かった。僕は野球はやっていないけど、野球以前の問題として」

──と言うと?

「あなたは誰々以下です、あなたは順位で言うとすごく下のほうでした、残念でした、みたいなことを言われた経験があって。それが自分の中ですごく傷であり、かさぶたであり、自分の中の強い部分にもなっていたりするんですよ。10代の頃に経験したことは、すごく大きいと思うんです。人生にとって。僕の場合はその経験がコアにありながらも、今だって、悔しい! って思うことはいくらでもあるんですよ。大吾くんもそうだと思うんです。彼は野球を通して色んなことを経験していくんですけど、チームなので大吾くん1人だけの問題じゃなくなったり、友達とかライバルとの関わりだったり、色んなことが巻き起こっていきますからね」



──ちなみに、この曲に『プライド』というタイトルをつけたのはどうしてだったんですか?

「プライドっていうのは、自尊心とか自意識みたいな、人間の中にある結構ダサい感情だと思うんですよ。それがいいなって思ったんです。そういうダサい感じがしっかりある人のほうが、僕は信じられるというか。今って何でもスタイリッシュに、カッコいい感じに取り繕うことって誰でもできると思うんですね。だけど僕の場合は、今も、今までも、どちらかというと転んだところも見せる人というか。上手くいってないところもさらけ出すような、人としてすごくカッコ悪い部分から目をそらさず、ただそこで終わらせない感じでやってきた。この『メジャーセカンド』という作品もそうなんです。野球は9人でプレイするから、どんなに頑張ってもそこに入れない人がいる。何で俺のことを使ってくれないんだ!? って思いながらベンチに座っている人が必ずいるじゃないですか。ケガをする人が出てきたり。この作品は大吾くんのメンタル面も含め、そういうところが結構シビアに描かれているんです。だから、僕は今回この『プライド』という楽曲が迷いなく書けたし、『プライド』という言葉をタイトルに持ってきたんです」



※続きは月刊Songs2018年6月号をご覧ください。

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