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ミュージカル界のプリンスとして君臨しながらも、ドラマや映画などの映像作品にも進出し、バラエティー番組のレギュラー出演、ラジオのパーソナリティーと、活躍の場を広げ続ける山崎育三郎。ソロ・アーティストとして通算3枚目となるニュー・シングルで彼は初の作詞に挑戦し、今年の1月に開催された東名阪ツアーのタイトルと同じく、『Keep in touch』というタイトルをつけた。この言葉に彼はどんな思いを抱いているのか。ミュージカル俳優を夢見ていた青春時代から、現在の活躍に至るまでの数多くの選択を支えてきたという言葉の意味とは?
Photo:竹中圭樹(D-CORD) Text:永堀アツオ

──今年の1月に開催されたライブツアーから振り返っていただけますか。



「2回目ではあるんですけど、よりアーティストとしてのスタート地点に立てたっていう感覚がありました。演出から全て自分で関わって、ダンスや弾き語りもやって、今の自分ができることを総合的にやりきったライブになったかなと思います」

──ツアーを振り返っていただいたのは、タイトルの理由をお聞きしたかったからなんですよね。

「そうですね。自分の中での好きな言葉というか、とても大事にしてる言葉なんです。この数年、ミュージカル以外にも色んな活動をさせていただいている中で、ドラマや映画、ディズニー実写映画『美女と野獣』の声優、そして、音楽活動と色んな出会いがありまして。ミュージカル以外で自分を知ってくださった方、昔から応援してくださった方、色んな人との出会いがあって、みんなとの繋がりの中で自分は日々、挑戦できるんだ、そこに立っていることができるんだっていう思いを込めて、ツアータイトルにこの言葉を選んだんです。元々は高校時代、アメリカのミズーリ州に留学していたんですけど、帰国する別れ際に言われた言葉なんです。“Keep in touch”で、“永遠に繋がっていよう”とか、“また再会しよう”とか、色んな意味が込められていて。ファンの方や自分を支えてくださってるスタッフ、家族を含め、自分の周りにいる全ての人との繋がりという意味の言葉ですね」

──そして、ニュー・シングルも同じタイトルになってます。今作が初の作詞曲になりますね。

「今までの与えられた歌詞の中での表現というところから、自分から全てオリジナルでゼロから作り出すものを音楽で届けられたらっていう思いがあって。とにかく、自分の言葉で表現したかったっていうのが一番なんですけど、作詞をやってきたわけではないので、どちらかというと、手紙を書くような感覚で書かせてもらって。作詞の技術はないので、単純に自分が本当に思っていることを、大事な人を思い浮かべて、手紙を書くような形で書きました」

──自分の言葉を発信していくことに怖さはないですか? より自分の内面をさらけ出していくことになるわけですが。

「そこに抵抗は全くないです。自分って何だろう? って思った時に、結構、難しいところがあって。自分自身が一番自分を分かってないところもあるんですよ」

──ミュージカル界ではプリンスと呼ばれてます。



「ロミオや『レ・ミゼラブル』のマリウスなど、プリンスと言われるような役が多かったので、そういうイメージではあるんですけど、かといって、僕は品があるものが好きだし、だらしないものよりも、きちっとした格好が好きなので、全く嘘でもない。ただ、ミュージカルというジャンルが、どこか敷居が高かったり、若い人達が入りづらかったりするけれども、バラエティーに出ている自分の姿を見て、“親近感が湧きました”って言ってくださる方もいて。そういう意味では、ソロのアーティストしての活動は、より等身大の自分でいられる場所だと思っていて。ミュージカルやドラマ、映画の世界では、役柄、楽曲、立ち位置、ある程度決まっている中で自分の表現になる。キャラクターとしては、自分じゃない誰かとしての表現なんですけど、ソロ・アーティストとして歌ったり、バラエティーやラジオでしゃべることで、より自分と向き合う時間が増えて。それは自分が一番やりたかったことですね」


※続きは月刊Songs2018年6月号をご覧ください。

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