http://zyun.info/

ZYUN.の2ndシングル『雨の日に逢いたくなるのはいつも君だけ。』。「初めて自分の作品で生みの苦しみを味わった」と語る本作は、どのような過程を経て完成したのか。音楽を作り出す人間としての葛藤やブレることのない信念など、制作時に渦巻いていたありのままの気持ちを語ってくれた。
Photo:笹原良太 Text:山田邦子

──2ndシングル『雨の日に逢いたくなるのはいつも君だけ。』が完成しましたね。



「今回は、この形になるまでにかなり時間がかかったんです。メロは同じなんですが、最初は『季節外れの空ボリューション』というタイトルで、メッセージとしてではなく、イメージとして戦争の景色がバーッと降りてきて。すぐに1コーラス作って提出したけど、ちょっと伝わりにくいと言われたんですね。でも、自分の中ではもう一語一句変えられないほどのものだったから、どうしようと」



──降りてきたものをそのまま形にして伝えていくというのが、ZYUN.さんの信条ですからね。

「だけど、ちょっと待てよと。この曲達の幸せな場所はどこなんだろうと思ったんです。自分のためではなく誰かのために書いてきたというのは変わらないけど、もっと人に伝わるように、降りてきたものをそのまま表現するのではなく、作家として考えて書いてみようと。それが『泣けない君と泣かない僕がおちた恋の話』というタイトルの曲になったんです。これはこれでほぼOKだったんですが、やっぱり心のどこかに、誰かに言われたから言葉を変えるというのはどうなんだろうっていうのが引っかかってて。それで、堤(幸彦)監督に相談をしたんです」



──堤監督は以前ZYUN.さんの『体温』のMVを手掛け(※未発表)、ZYUN.さんは現在配信されている堤監督の『SPECサーガ完結篇「SICK'S 恕乃抄~内閣情報調査室特務事項専従係事件簿~』にも出演されています。

「またメジャーのレーベルからリリースができることは感謝している。だけど、歌詞を変えるということに対してはすごく抵抗がある。でも、新しいところで自分の曲を広めていくためには大事なことかもしれない。それってブレてることになりますかねって。そんなふうに監督に色々話をしたら、すごくスッキリしたんですよ。で、『泣けない君と泣かない僕がおちた恋の話』が自分の中でしっくりこなくなってしまい、自分の意志で歌詞を全変えしてできたのが『雨の日に逢いたくなるのはいつも君だけ。』なんです。だから、いつもは15分とか30分で書き上げてたのに、1か月以上かかった。初めて、自分の曲で生みの苦しみというのを体感しました」


※続きは月刊Songs2018年9月号をご覧ください。

ページを閉じる

Topページを開く