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11月28日に1stEP『うたはつづくよどこまでも』のリリースが決定したさくらしめじ。収録される4曲の中から、今号では、NHKみんなのうた(10月・11月)で放送される『スプーンの初恋 ~あゝ、好きだよベイベー~』とAAAの楽曲をカバーした『恋音と雨空』についてインタビューしました。このEP盤の楽曲のレコーディングで考え方が大きく成長したというふたり、その理由とは?
Photo:大庭 元 Text:大庭利恵

──『スプーンの初恋 ~あゝ、好きだよベイベー~』は、“みんなのうた”に向けて作られた楽曲だったんですか?



田中雅功(以下、雅功)「そうです。実は野音の本番が終わったあとにスタッフさんに“さくらしめじが『みんなのうた』を歌うことが決まりました”と伝えられて」



髙田彪我(以下、彪我)「まさか! と思いました」

──“みんなのうた”は、どの世代?

雅功「僕は、『グラスホッパー物語』(高見のっぽ&コーラス:ちびっこバッタ雑唱団)という曲が大好きでした。アコーディオンの音をバックにバッタのおじいさんとバッタの子供たちがステッキを持ちながら踊るんです」

──『スプーンの初恋~』もギターのアルペジオで始まって、木琴や笛の音が入った森の楽団のような楽曲ですが、最初に聴いた印象は?

彪我「簡単に言うと、とっても馴染みやすくて歌いやすいメロディーだなと思いました」

雅功「最初は、よく本屋さんにあるちびっこ向けの正方形の小さい絵本でストーリーを追う感じから、最終的なアレンジが決まったときには僕らが読んでも楽しい大きい絵本のように壮大になった気がしました」

──ふたりの歌い方も、普段より素朴な印象がありますが、“みんなのうた”ということを意識したりするものですか?

雅功「いや、そんなことはなかったですね。たしかにストーリーは、まるで絵本を読んでるような感じで親しみやすいし、保育園とか小さい頃の自分を思い出させてくれる感じがしましたけど、“みんなのうた”で流れるからということは意識してないですね。素朴な感じがあるとしたら、さくらしめじとしてこの曲と向き合って自然と出たものだと思います」

彪我「そうだね。小さい子が聴くからこういうふうに歌おうみたいなのはなかったね。ただ、やっぱり『届けそこねたラブソング』のような等身大のラブソングと同じように歌うのは違うと思ったので、この楽曲に合った世界観を作ろうとは思いました」

雅功「この曲と“みんなのうた”に対して持っているイメージがバチッと合ってたから、曲に寄せて歌うだけでちゃんとハマるんじゃないかなと思ってたしね」

──スプーンが主役のストーリーですけど、どういう絵を思い浮かべながら歌いました?

彪我「僕は、あれです。丸太で造られた北海道の家……ログハウス! みたいな家です」

──私も、シチューのCMみたいな家を想像しました。

彪我「ですよね。テーブルの上の料理から湯気が出てるような」

雅功「僕、最初に思い浮かべたのが、食事してるシーンじゃなくて食器棚だったんです。棚の中に置かれているカトラリーとして仲良くしていて、そこから料理が運ばれるときに、“あー、またふたりだけ行っちゃった”ってイメージ」

──そういう場合、自分がスプーンになった気持ちですか、それとも自分と幼馴染と先輩をイメージして歌うもの?

雅功「僕は、完璧に棚からふたりを見送るスプーンの気持ちになってた(笑)」

彪我「僕もなってました」

――淡い初恋、せつない恋というニュアンスをどう出すかみたいな話は、どういうタイミングで?




※続きは月刊Songs2018年11月号をご覧ください。

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